もう何も怖くない


シナリオライター・虚淵玄が明かす
『まど☆マギ』ストーリーの発想法
アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』などを手がけた
シナリオライターの虚淵玄(うろぶち・げん)氏は
2012年1月29日、ニコニコ生放送「小池一夫のニコニコキャラクター塾!」に出演し、
『まど☆マギ』におけるストーリーの発想法について語った。
「小池一夫のニコニコキャラクター塾!」は、
作家で漫画原作者の小池一夫氏が、漫画家やクリエイターをゲストに迎え、
新時代のキャラクター発想論を考えようという番組
小池氏がかねてから称賛し、「虜になった」という『まど☆マギ』。
小池氏は、漫画制作では初めにキャラクターを作り込むことを信条としているが、
虚淵氏によれば、『まど☆マギ』はキャラクターよりむしろ、ストーリーを重視して作ったものだという。
その傾向が顕著に表れているのは、ストーリー序盤の展開。
小池氏は、漫画では「最初の7ページでキャラクターが立っていないと読者が離れてしまう」と考えるそうだが、
『まど☆マギ』ではなかなかストーリーを展開させず、3話になって
初めてそれまで主要キャラクターと思われていた「巴マミ」に壮絶な死を遂げさせた。
その驚きによって話題が広がり、『まど☆マギ』は多数のファンを獲得した。
虚淵氏は、この手法をアニメ脚本家の黒田洋介氏(『機動戦士ガンダム00』など)から教わったという。
「1話でインパクトを与えて途方に暮れさせ、2話では(作品の)世界観とストーリーの方向性を説明する。そして3話では、それまでに説明したこと以外のことも起こり得るというサプライズを起こす」
と虚淵氏は言う。この3段階を踏むことで、4話以降も視聴者がついてくるそうだ。
これには小池氏も、驚いたようで「紙の世界(=漫画)でもやってみようかな」とした上で、
「これは僕が手を染めたことのないキャラクターの作り方。僕も試してみて、成功するようだったら、キャラクター新論で取り上げたい」と語った。
さらに小池氏は、「(漫画は)音と動きのない世界なので、アニメも描いてみたいという気持ちがある。これから勉強してみようと思います」と、76歳にしてもなお作品作りに意欲的な姿勢を見せた。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw189629